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ベセルナクリームが痛いのは何故?

ベセルナクリームによる治療は、非常に高い確率で副作用が発症して「痛い」思いをします。
尖圭コンジローマにおける臨床試験では82.8%という確率で副作用が報告されており、うち痛みは28.1%で確認されています。
痛い思いをしたくないからという理由で液体窒素を避けてベセルナクリームを選択したのに、塗った途端にヒリヒリと痛くなって歩くのもおぼつかない…という方もいらっしゃるでしょう。

痛みに対する得体のしれない不安があると、ストレスとなって免疫力を低下を招きます。
ベセルナクリームで「痛い」のは何が起こっているのかを把握し、焦らずに適切な判断で対処をすることが大切です。

ここではベセルナクリームが何故痛いのかを詳しく説明していきます。

正しい作用(炎症反応)で痛い

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出典:出原研研究内容

ベセルナクリームを塗った患部が痛いのは、主に赤く炎症を起こしてただれている場合です。赤みやただれは最も多い副作用であると同時に、ベセルナクリームが正しく作用している証拠でもあります。
ベセルナクリームの主成分であるイミキモドは、塗布した部位の免疫力を一時的に強化させる働きがあります。免疫機能のあるサイトカインと呼ばれるタンパク質を増やし、キラーT細胞と呼ばれる免疫細胞を活性化させます。
強化された免疫によって、尖圭コンジローマにおいては原因ウイルスであるHPV(ヒトパピローマウイルス)および感染細胞を、日光角化症においては紫外線によって悪化した皮膚の細胞をそれぞれ攻撃するのが主な作用機序です。
免疫が患部のウイルスや細胞を攻撃する間、サイトカインによって炎症反応が起こり、細胞が損傷して侵害受容性疼痛(体の組織の損傷による痛み)が起こります。
炎症によるただれや痛みはベセルナクリームの効き目が出ている間は持続します。

炎症や痛みを伴う感染症の場合は、既に免疫機能が感染源を攻撃している状態ですので、感染源となるウイルスや細菌を撃退するのが主な治療となります。一方で尖圭コンジローマや尋常性疣贅は免疫力が低下している人が発症し、ウイルスが感染細胞を腫瘍(イボ)に変えている状態となります。この場合はウイルスの撃退だけでなく、免疫力そのものを高めて感染細胞もろとも攻撃しなければ治せません。
通常の塗り薬(ステロイド、抗生物質など)は炎症反応による発赤や痛み、細菌感染による化膿を緩和する用途で使われますが、ベセルナクリームはむしろ炎症反応によってイボを排除する薬です。

ステロイド軟膏と真逆の作用がある塗り薬って事か…。使い方を間違えたら大変だね。

ベセルナクリームにおいての炎症は副作用ではなく、薬の正しい作用ですので治療においては避けられない症状です。

誤った使い方をするとさらに痛い

ベセルナクリームの使い方を誤ると、ただれや痛み等の副作用が強まります。ここでの誤った使い方とは、主に粘膜への塗布と過剰量の摂取を指します。
尖圭コンジローマは尿道や膣内、肛門内にもイボが発症しますが、これらの部位(粘膜)にベセルナクリームを塗ると、激しい痛みをともなって排尿や排便が困難になります。ベセルナクリームの添付文書(患者向けの説明書)には禁忌として、これらの部位に塗らないよう記載されています。

過剰摂取は一度に多量の塗布をする場合と、定められた時間を超過して塗布時間を延長する場合があります。ベセルナクリームの用法・用量は効き目の有用性が副作用のリスクを上回るレベルを考慮して設定されていますので、定められた以上の量を摂取すると副作用が強まるだけでメリットはありません。

毎日塗ってはいけない理由はこういう事なのね。

ベセルナクリームの使用においては、特に過剰摂取に対して注意するよう添付文書にも強く記載されています。

あまりにも痛い場合は休薬して症状を治療

副作用の症状がひどい場合(歩くたびに塗布部位がこすれて痛みで歩行困難になる等)は、患部のクリームを石鹸でしっかりと洗い落として病院を受診しましょう。
副作用が強く出て治療に支障が出る場合は、1週間ほど休薬期間を設けて、副作用の症状を治療します。

症状を緩和する薬として、主にリンデロンやロコイド等のステロイド軟膏が処方されます。副作用の症状が治ってきたら、再びベセルナクリームの使用を開始して尖圭コンジローマの治療を再開します。

ステロイド軟膏は市販されているのかな?

Amazonで「ベセルナクリーム」と検索して検索結果に出てくる軟膏(セロナ、ロコイダン、ベトネベート等)は、副作用による炎症に有効なステロイド外用剤になります。

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