ベセルナクリームは強力な薬ですので、使い方を誤ると思わぬ重篤な副作用が起こりえます。連日の使用や過剰量の塗布、洗い流し忘れや長時間の放置などがよくある誤使用例です。
ベセルナクリームの用法・用量は副作用を最小限に抑えつつ最大限の効果を出すように考えられていますので、守らなければ治療に支障が出て体に悪影響をおよぼします。
他の塗り薬に比べて使い方が複雑で面倒ではありますが、尖圭コンジローマも日光角化症も治療が難しい疾患ですので、覚悟を決めて慎重に使用しましょう。

尖圭コンジローマ治療における治療点
ベセルナクリームで尖圭コンジローマを治療する時は、間違った使い方をしないように注意しましょう。
ベセルナクリームは特殊な位置づけの塗り薬ですので、普通の塗り薬と同じ感覚だと間違っている可能性もあります。
- 毎日継続して塗ってはいけません。必ず1日おきに塗りましょう。
- 10時間以上塗ったままにしてはいけません。6~10時間後に綺麗に洗い落としてください。
- 患部にベセルナクリームを厚く塗ってはいけません。
- 塗布したベセルナクリームを洗い流すのを必ず忘れないでください。
- 尿道、膣内、肛門内にベセルナクリームを塗らないでください。
- 外性器および肛門周囲が適応部位です。それ以外の部位のイボに塗らないでください。
- 傷のある患部や周囲に傷がある患部に塗らないでください。
- 塗った部分を絆創膏やテープなどで覆わないでください。
- ベセルナクリームを塗った手で、患部以外の部位に触らないでください。
- 薬が患部に塗布されている時は性行為(セックス)を避けてください。セックスパートナーにベセルナクリームが付着して紅斑、びらん、表面剥離などの副作用が出る恐れがあります。
- コンドームなどの避妊用ラテックスゴム製品がベセルナクリームに触れると、品質が劣化して破損する恐れがあります。コンドームにベセルナクリームが付着しないようにご注意ください。
日光角化症治療における治療点
ベセルナクリームで日光角化症を治療する時は、間違った使い方をしないように注意しましょう。ベセルナクリームは強い作用をもった薬ですので、必要以上に塗ると思わぬ重篤な副作用がでる恐れがあります。
- 顔面または禿頭部(髪が抜けて頭皮が露出した頭部)以外の部位には塗らないでください(有効性および安全性が確立されていません)。
- 毎日続けて塗らないでください。連日の使用は重度の副作用が出るリスクが高まります。
- 薬の洗い忘れには十分注意し、長時間塗りっぱなしにしないでください。塗布時間を延長すると、重度の皮膚障害が出るリスクが高まります。
- 傷や炎症がある部位には塗らないでください。ベセルナクリームの塗布によって炎症の悪化につながります。
- 25平方cmを超える広範囲には塗らないでください(安全性が確立されていません)。
- 日焼けによる炎症を起こしている部位に塗らないでください。ベセルナクリームの塗布によって炎症の悪化につながります。
- ベセルナクリームを塗布した手で、患部以外の部位(特に目、唇、鼻の中)を触らないでください。目の中や唇の中、そして鼻の中にベセルナクリームを塗布すると、重篤な副作用が出る恐れがあります。これらの部位に付着するのを避けるためにも、ベセルナクリームを塗布した後は手を石鹸でしっかりとあらい、クリームをきれいに落としてください。
- ベセルナクリームで治療をすると、塗布した部位の皮膚が変色もしくは脱色してそのままの状態で元に戻らなくなる場合があります。
ベセルナクリームの基本的な注意点
ベセルナクリームを使用するにあたり、共通での基本的な注意点は以下のとおりです。
- ベセルナクリームを使用している間は、他の薬を使った治療および外科治療を同時に行わないでください。
- 塗布部位を日光にさらすと、光線過敏性反応と呼ばれる皮膚症状(日光が当たる部位に生じる水ぶくれ、湿疹、色素沈着によるシミ、過度の日焼け)が出ることがあります。ベセルナクリームの洗い忘れや誤った部位への塗布には十分ご注意ください。
ベセルナクリームの使用に注意が必要な場合
以下に該当する方は、ベセルナクリームを使用する前に医師に相談をしてください。
- 以前に薬を使用して過敏症(かゆみ、蕁麻疹などのアレルギー反応)を起こしたことがある。
- 妊娠または授乳中である
- 現在、他の薬(処方薬および市販薬)で何らかの疾患を治療している(ベセルナクリームによって、薬同士がお互いに作用を強めたり弱めたりする場合があります)