尖圭コンジローマおよび日光角化症の治療薬として、患者の方にとっては何かと使用する事が多いのがベセルナクリームです。 再発のたびに病院へ処方してもらいに行くのが手間であったり、時間が作れなくて近所の薬局で間に合わせたい方も多いでしょう。
残念ながらベセルナクリームは市販薬ではありませんので、薬局では販売されていません。通販で購入しようとしても、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピング等の通販サイトでは取り扱いがありません。
ベセルナクリームと同じ効き目の市販薬もありませんので、購入手段は病院で処方してもらうか個人輸入するかの2択となります。
このページでは、ベセルナクリームと同等の効果があると誤解されがちな市販薬に関して説明します。

Amazonで検索結果に出てくる軟膏に関して
出典:セロナ軟膏 | 製品検索 | 薬と健康を見つめる製薬会社 佐藤製薬株式会社
Amazonでベセルナクリームと検索すると、軟膏がいくつか検索結果に出てきますが、これらはいずれもベセルナクリームは別の薬になります。
では全く関係ないかと言うと、厳密に言えばベセルナクリームの副作用が出た場合に使用する軟膏です。
ベセルナクリームは薬の特性上、炎症をともなうただれや痛み等の副作用が非常におこりやすくなります。副作用によって患部の症状が強く出た場合には、必要に応じて休薬をし、別の軟膏を使って症状を緩和します。 ただれや炎症に対して有効なのは、ロコイドやリンデロン等のステロイド外用剤です。これらはいずれも処方薬ですが、同じ成分を含んだ市販薬がAmazonで販売されており、ベセルナクリームの検索結果に出てきます。
ロコイドと同じ成分の外用剤としてセロナやロコイダン、リンデロンと同じ成分の外用剤としてベトネベートがあります。他の軟膏に関しても成分は異なりますが、いずれもステロイドを含んだ抗炎症薬になります。

セロナやロコイダンはステロイド軟膏で、イボの薬ではなく炎症の薬なんだね。
これらの軟膏のみで尖圭コンジローマを治療する事はできませんが、ベセルナクリームの副作用による皮膚症状への対策としては有効です。

市販薬のヨクイニンは治療に有効?
出典:小太郎漢方製薬|商品情報 > ヨクイニンS「コタロー」
尖圭コンジローマのイボに対して、保険適用で治療ができる処方薬としてベセルナクリームがありますが、市販薬ではヨクイニンがイボの薬として販売されています。 日本皮膚科学会が定めた「尋常性疣贅診療ガイドライン 2019」において、ヨクイニンの服用は推奨度B(2番目に推奨されるランク)に指定されています。
ヨクイニンはハトムギの種皮を剥いた種子から抽出された成分をもとに作られた漢方薬で、ハトムギエキスという名前でも製品化されています。 ヨクイニンは免疫細胞を活性化させ、尖圭コンジローマの原因ウイルスであるHPV(ヒトパピローマウイルス)を排除しようとする働きがあります。また、抗炎症作用や体内の水分バランスを整える作用もあり、ウイルス性のイボおよび皮膚の荒れに効き目があるとされています。
ヨクイニンだけで尖圭コンジローマのイボを治すことは難しいですが、ベセルナクリームと併用して治療効果を上乗せする事は可能です。 漢方薬ですので安全性が高く、治療後の再発予防にも有効です。 ヨクイニンおよびハトムギエキスはサプリメントとして多くの商品が市販されている他、処方薬としてヨクイニンエキス錠「コタロー」が病院で処方されています。ベセルナクリームと一緒にヨクイニンが処方される事も多いです。

ヨクイニンは漢方の飲み薬で、尖圭コンジローマにはあくまでベセルナクリームの補助に使うんだね。
特に再発を繰り返すような尖圭コンジローマに対しては、ヨクイニンやハトムギを含んだ健康食品を継続的に摂取して免疫力を高めていけば、再発を抑えて自然治癒させることもできるようになります。

市販薬のイボコロリは治療に有効?
出典:イボコロリ|横山製薬:商品情報サイト
イボの市販薬として、昔から知られているのがイボコロリです。イボを除去する効果があるという点ではベセルナクリームと共通していますが、作用は全く別の薬です。
普通のイボ(尋常性イボ、足底イボ)には有効ですが、尖圭コンジローマに対しては使用できません(公式サイトでは皮膚科に相談するように記載されています)。
イボコロリは硬くなった角質を柔らかくしてイボが取れやすくする薬であり、ベセルナクリームのように免疫機能に働きかけるわけではありません。