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ベセルナクリームの効果は治療と再発防止

ベセルナクリームは塗布した部位の免疫力を高めて、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によるイボを緩和します。

尖圭コンジローマに対しては、原因となるウイルスを撃退すると共にウイルス感染した細胞を破壊し、患部のイボを消滅させる効果があります。ベセルナクリームによる治療は免疫療法と呼ばれ、尖圭コンジローマ患者に対する第一選択として行われています。

日光角化症に対しては、塗布した部位の免疫力を高めて角化した皮膚の細胞を死滅させ、シミを消す効果があります。 臨床データがなく適応外となりますが、尖圭コンジローマ以外のイボ(尋常性疣贅)に対しても同等の治療効果が期待できます。

ベセルナクリームを塗布すると患部に痛みやただれといった症状が出やすくなりますが、これは活性化した免疫が患部の細胞を攻撃して起こる正常な反応(効果)となります。

尖圭コンジローマに対する効果

ベセルナクリームは尖圭コンジローマによるイボを、跡を残さずきれいに治す効果が期待できます。
外科治療と比較した場合、イボの数が多い場合や広い範囲に点在しているような場合にはベセルナクリームの塗布が有利です。
一方でそら豆大以上の大きなイボに対しては効果が出にくい場合がありますので、外科手術による切除が有利と言えます。
どちらも一長一短な所がありますので、症状(イボ)の出方や大きさによって最適な治療法を選びましょう。

尖圭コンジローマに対するベセルナクリームの効果は、日本国内で行われたイミキモドクリームの臨床試験によって実証されています。
尖圭コンジローマ患者を対象に行われた臨床試験では、イミキモドクリーム5%を投与した被験者のうち63.6%においてイボの完全消失が確認されました。
薬効成分を含まない基剤を投与した被験者に比べても明らかに高い比率であり、イミキモドクリームの有効性が客観的な数値で示されました。

治療効果が出はじめる期間はいつ?

ベセルナクリームはがイボを治す効果は、一般的に塗布し始めて1ヶ月後から実感できるようになります。日本国内で行われた臨床試験では、ベセルナクリームを継続使用した被験者のうち半数において、4週間後には塗布部位のイボが80%以上減少しました。
その後、16週後には被験者の63.5%においてイボの完全消失が確認されました。ベセルナクリームの使用期間は16週までと決められており、この期間に効果が見られなかった場合はベセルナクリームの使用をやめて別の治療法に切り替えます。

ベセルナクリームは再発を防ぐ効果も

ベセルナクリームは塗布した部位の免疫力を高めてウイルスを撃退する薬ですので、イボの治療だけでなく再発を予防する効果も期待できます。
再発率は、外科治療でおよそ15~30%であるのに対し、ベセルナクリームによる治療は13%というデータがあります。
完全に再発を防ぐことはできませんが、体の免疫力を高めて再発を徐々に減らせます。

そもそも尖圭コンジローマって完治させられる病気なの?

根気よく治療をして自然治癒力を高めれば、体内に残るHPVを撃退して根治させることも可能です。

日光角化症に対する効果

ベセルナクリームは塗布した部位の免疫力を高める働きがあり、日光角化症による病変部位の細胞を死滅させる働きを助け、シミの症状を緩和します。
ベセルナクリームによる薬物療法は、シミの大きさや数を問わず治療可能ですので、日光角化症の治療において第一選択とされている手段です。

日光角化症に対するベセルナクリームの効果は、日本国内で行われたイミキモドクリームの臨床試験によって実証されています。日光角化症患者を対象に行われた臨床試験では、イミキモドクリーム5%を週2回投与した被検者と週3回投与した被検者でそれぞれ8週間後の状態を確認しました。
週2回投与したグループにおいては被験者のうち37.1%、週3回投与したグループにおいては被験者のうち57.1%においてそれぞれ病変の完全消失が確認されました。
薬効成分を含まない基剤を投与した被験者に比べても明らかに高い比率であり、イミキモドクリームの有効性が客観的な数値で示されました。

数字を見ると毎日塗った方がより効果ありそうだけど、どうして週2~3回なんだろね?

ベセルナクリームは非常に副作用が出やすい薬ですので、毎日塗ると副作用が強すぎて治療に支障が出てしまうためです。

ベセルナクリームが免疫を高める作用機序

ベセルナクリームの主成分であるイミキモドは、免疫機能のあるサイトカインと呼ばれるタンパク質を増やす働きがあります。サイトカインにはいくつかの種類がありますが、その中でもインターフェロンと呼ばれるタンパク質の産生を促進します。
サイトカインの増加により、尖圭コンジローマに対しては感染ウイルスであるHPVの増殖を防いでウイルスを減少させます。一方でサイトカインは細胞性免疫応答と呼ばれる免疫機能を活性化させ、キラーT細胞やマクロファージによってウイルスに感染した細胞を攻撃します。感染細胞が免疫に障害されると、病変部位(イボ)の表皮が剥がれ落ちて正常な細胞の皮膚に入れ替わります。
日光角化症に対する作用機序は詳しく分かっていませんが、尖圭コンジローマと同様に細胞性免疫応答の活性化によって病変部位(シミ)の細胞を死滅させている、と考えられています。

免疫って専門用語がたくさん出てきて難しいけど、体に侵入した異物を撃退するために色々なタンパク質や細胞が活躍しているって事だね。

炎症やかぶれ、痛み等の症状は、免疫機能によって起こる正しい反応です。