日光角化症アイキャッチ画像

日光角化症、顔や頭にできるかさぶたのついた赤いシミ

日光角化症は、紫外線を長時間浴び続けて皮膚に赤いシミができる疾患です。60歳以上の高齢者に多く見られます。 ただのシミと思って放置していると、悪化して有棘細胞がんという皮膚がんを発症するリスクがありますので、発見したら早期の治療が大切です。

日光角化症は他の皮膚疾患(シミ、ホクロ、イボ)と見分けづらい場合があるので、視診や触診に加えてダーモスコピー(特殊な拡大鏡を使って患部を詳細に観察する検査)や生検(患部の一部を切り取って顕微鏡で観察する検査)による診断も行われます。

治療法はベセルナクリームを用いた薬物療法と、液体窒素による凍結や手術による切除などの外科治療となります。

日光角化症とは

出典:ドクターに聞く「日光角化症」について – 特集・コラム/メディカルページ札幌

日光角化症とは、顔や頭の皮膚が慢性的に紫外線を浴びて悪性化する皮膚疾患です。光線角化症、老人性角化症、老人角化腫とも呼ばれています。
老人性という名前の通り、60歳以上の高齢者に多く見られ、歳を取るほど発症率は上がります。

日焼けには皮膚が炎症して赤くなるサンバーンと、皮膚表面のメラニンが色素沈着を起こして褐色になるサンタンの2種類がありますが、日光角化症は色白でサンタンになるタイプの肌で起こりやすくなります。

日光角化症は皮膚がんの早期段階であり、多発している人のおよそ40%が5~11年以内に有棘細胞がんへと進行します。
近年はオゾン層の破壊によって紫外線量が増加し、日光角化症の発症リスクが高まっています。

一時期、地球の環境問題でオゾンホールが取り沙汰されてたな。このままだと紫外線が増えて皮膚がんになりやすくなるとか。

色白で赤く日焼けしやすい高齢の方は特に日光角化症になりやすいので、長時間日光を浴びないように注意しましょう。

日光角化症の症状

日光角化症特徴引用

出典:紫外線の刺激で発症―日光角化症 放置するとがん化する危険性も|時事メディカル

日光角化症の症状は紅斑(こうはん)型、色素沈着型、疣状(ゆうじょう)型の3タイプがあります。
紅斑型は最も多く見られる赤いシミで、表面にはうろこのようなかさぶたがあります。
色素沈着型は淡い褐色(黒ずんだ茶色)と濃い褐色がまだら状になっているシミで、表面がやや盛り上がる場合もあります。
疣状型は皮膚の表面が厚く固くなり、見た目がイボのような状態になります。硬くなった皮膚の周りは赤くなっている事が多いです。

痛みやかゆみ等の自覚症状がほとんどないため、目視で確認するしかありません。

昔から皮膚が弱くて顔によくできものが出てたから、赤いシミなんて出来てもあまり気にしないのよね。

症状が認識できずに有棘細胞がんに進行した段階で発症に気付くことも稀にあります。

日光角化症と症状が似てる皮膚疾患

日光角化症は別の原因によるシミと見た目が似ているため、ぱっと見ただけでは判断がつきにくいです。日光角化症に限らず、皮膚疾患は症状が似ていても全く別の疾患である場合がありますので、診断の際には皮膚生検と呼ばれる検査が行われます。
日光角化症と症状が似てる皮膚疾患は以下のとおりです。

  • 脂漏性角化症
  • 日光黒子
  • 扁平苔癬様角化症
  • 尋常性疣贅
  • ボーエン病
  • 基底細胞癌
  • 悪性黒子(メラノーマ)

脂漏性角化症

脂漏性角化症引用画像01

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

脂漏性角化症は老人性疣贅とも呼ばれる、高齢者特有のイボです。日光角化症と同様に陽光のよくあたる部位に多発し、ホクロのような黒いブツブツができます。
日光角化症の色素沈着型と見た目がよく似ているため、素人では見極めるのが難しくなります。
症状の特徴は褐色から黒色で、周囲の肌との境界がハッキリしており、盛り上がり方も触ってすぐ分かるぐらいポコッとしています。

日光黒子(老人性色素斑)

日光黒子引用画像01

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

日光黒子は老人性色素斑とも呼ばれ、シミの中で最も多い代表的な皮膚疾患です。名前の通り高齢になるにつれて発症しやすくなりますが、若い人でも発症します。
紫外線を過剰に浴びることによって黒色メラニンが多量に作られ、新陳代謝で排出しきれなくなります。黒色メラニンが色素沈着を起こして肌に残り、シミとなった状態が日光黒子(老人性色素斑)です。
症状の特徴はやや大型で形が不規則、色は濃い褐色で周囲の肌との境界がハッキリしたシミです。全体的に平べったい盛り上がりが若干見られ、表面が目立たない程度にややかさついています。

扁平苔癬様角化症

扁平苔癬様角化症引用画像01.

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

扁平苔癬様角化症は、脂漏性角化症や日光黒子(老人性色素斑)が炎症を起こして、平べったく盛り上がった湿疹(扁平苔癬)のようになる皮膚疾患です。
顔や手足に発症しやすく、薄紅色(ピンク)~薄い褐色で、軽度の落屑(皮膚がポロポロ剥がれ落ちる状態)やじかゆみをともなうことがあります。日光角化症と見分けがつきにくいですが、病変が全体的に均一で、正常な皮膚との境界はわかりやすいです。
中高年の男女に多く見られ、慢性的に直射日光に当たり続けることが要因とされています。
治療方法は外科治療による切除と、液体窒素による凍結療法が行われます。

尋常性疣贅(ウイルス性イボ)

尋常性疣贅引用画像01

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

尋常性疣贅は最もよく見られる一般的なイボです。直径1cm以下で表面が角化して硬く、乳頭状に尖っているのが特徴です。先端部分に、毛細血管の出血による小さな点が多く見られます。
疣状(ゆうじょう)型の日光角化症と似ているため、見分けがつきにくいです。
HPV(ヒトパピローマウイルス)と呼ばれるウイルスに感染して発症します。

ボーエン病

ボーエン病引用画像01

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

ボーエン病は早期の有棘細胞がんであり、紫外線およびHPV(ヒトパピローマウイルス)によって発症します。大きさは数cmていどまでで赤~赤褐色のシミとなり、表面には鱗屑(うろこ状のくず)やかさぶたが見られます。
日光角化症のほか、乾癬や皮膚炎、たむし等の皮膚疾患とも見分けがつきにくくい場合があります。診断は主に生検が行われ、患部の一部を切除して顕微鏡で観察します。

基底細胞がん

基底細胞がん引用画像01

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

基底細胞癌は、有棘細胞がんと共に多く見られる皮膚がんです。高齢者に多く、7割以上が顔の中心付近(鼻やまぶた等)に発症します。患部が黒もしくは黒褐色、灰黒色に盛り上がり、少しずつ大きくなっていきます。表面は平らで、半透明のまくで覆われたように見えるのが特徴です。しばしば破損して出血したりかさぶたができたりします。
治療は主に外科治療による切除ですが、放射線療法や薬物療法が行われる場合もあります。

悪性黒子(メラノーマの早期病変)

悪性黒子引用画像01

出典:診断法 | 「日光角化症」情報サイト | 持田製薬株式会社

皮膚がんの中でも悪性の腫瘍を代表する皮膚疾患がメラノーマです。メラニン色素の細胞(メラノサイト)ががん化したため、見た目は通常のほくろと似ています。
悪性黒子は初期段階のメラノーマで、形が不規則な黒褐色のシミの中に濃い黒色の部分があるのが特徴です。色素沈着型の日光角化症と少し似ていますが、悪性黒子の方が色素沈着の黒ずみが濃く、皮膚は硬くありませんので視診や触診で判断することができます。

日光角化症の治療

ベセルナクリーム引用画像01

出典:ベセルナクリーム5% | 持田製薬株式会社

日光角化症の治療方法は、大きく分けてベセルナクリームを用いた薬物療法と外科治療による除去があります。

ベセルナクリームは塗布した患部の免疫機能を高めて悪化した細胞を攻撃し、シミを改善します。小さいシミから大きいシミまで問わず、シミが多い場合にも治療可能です。

塗り薬で治せるものなら、まずはこれから試したいところだね。

外科治療は液体窒素を使った凍結療法と、外科手術による切除が保険適用となります。
凍結療法は-196度の液体窒素を染み込ませた綿棒を患部に押し当て、凍らせてシミを除去する治療法で、痛みをともないます。一方で傷跡が残らず体に安全ですので、イボの除去でも多く行われています。
外科手術による切除は確実に治療ができる一方、出血を伴って傷跡が残ります。

患者の症状の出方(部位や範囲、シミの数)によって、最適な治療法を医師が判断します。
日光角化症は病変が似た皮膚疾患があり、お医者さんでも視診や触診だけで判断ができず生検やダーモスコピー検査を行う場合も多く見られます。

日光角化症と思しき症状が出ている場合は素人判断で薬を塗ったりせず、まずは皮膚科を受診しましょう。